九州旅行で唯一の洋食だった雲仙観光ホテルでの夕食。
前二泊は浴衣での食事でしたので、ちゃんと服を着てダイニングに行くのがちょいとめんどうでした(^-^;)
広々としたダイニングは200畳、天井も高い。
このサービスプレートはノリタケ製で、雲仙観光ホテルオリジナルのもの。
36750円でございます…こんなの怖くて使えない!
せっかくのディナーですのでワインを…とウソつきたいところですがぶどうジュース。
でもノガラッツァのぶどうジュースのほうが数段美味しかった。
香りがあんまりないし、味も希薄。
みっしり詰められたバターだったらいいな、と思ったけどやっぱりカットしたものでした。
昔、レストランっていったら器に綺麗に詰められたバターか、金平糖みたいな形のバターだったのにね。
青魚が苦手だと言ってあったので、私のアミューズはミニカプレーゼ。
思わず食べられそうに見える周囲の唐辛子。
通常のアミューズはトビウオです。
○○さんの作った天然酵母のパン、とメニューにあったのですごく期待していたのですが、なんのことはない、ただのパサパサしたフランスパン生地で、温め方がよくないのでクラストも美味しくない…
こんなんだったら、メニューには「パン」とだけ書いておいたらいいのに、と思う。
「有明海で獲れた春蛸とエピスかおる春野菜 魚醤風味のバルサミコ酢とバジルソース」
名前長っ!(笑)
バルサミコソースはちょっと甘みが勝ちすぎていて、しかも変なとろみが強くサラダのソースとしてはどうかと思ったけれど、全体の味はまぁまぁでした。
「島原・山海の幸とリゼット・雑穀米のパエリア風 ピスタチオ・オイル、自家製からすみ、ビマン・デスベレット」
はぁ~これもメニュー見ながら打つのは一苦労だ。
うーん、長々書いてあるけど、要するに細かく切った海の幸と野菜を載せたパエリアっぽいご飯、ってとこかな。
味は結構美味しくて、土鍋を熱くしてあったのでそこそこの温度で食べられました。
でもちょっぴりなの…もっと食べたい。
「若いハーブ入りソッカ(ひよこ豆のクレープ)に包まれた桜鯛 深緑の野菜たち、浅利貝とアオサ海苔のエッセンス」
これはちゃんと出汁の味がしていて美味しい一皿でした。アサリパワーでしょうか。
鯛もちゃんといい白身の味がしていたし。
「新緑」じゃなくて「深緑」なのねぇ。
「橘湾で水揚げされた地魚のアーモンド・トリュフパン粉焼 タイム風味の春キャベツ、ソースアンティポワーズ」
これは…なんの魚だった忘れましたが、白身で美味しかった。
ホワイトアスパラも良いのですが、もうちょっと付け合せに華があると見た目にも美味しそうなんだけど…
ポーションも小さいし一見するとアミューズのようです。
総体的に海の幸は美味しいみたい。
素材はいいのですが、いかんせん量が…少ない。
量を減らせばコスト的にはメリットがあるんでしょうけれど、あんまり少ないと美味しそうに見えない…と思うのはワタクシだけでしょうか。
ワタクシのメインは
「雲仙牧場鹿ロース肉のパイ包み焼 マリア・カラス風 ポンム・リヨネーズ、彩りサラダ」
あぁ!懐かしのマリア・カラス風!
A-P-Cで食べたマリア・カラス風の美味しかったこと!
まだブログをやっていないときだったので写真はないけれど、大きく長方形に焼いたパイ包みの見事な焼き色、中の仔羊の香りの良いこと…
もちろんソースも美味!そしてこのとき、船橋シェフとしてはあともう一呼吸焼きたかった…その焼き具合でも二人は意見の一致をみて、どれほど「焼き」が重要でかつ難しいものか、つくづく知ったのもこのお料理。
そのマリア・カラス風の足元にも及びませんが、これはこれでうまくまとめてあるなぁという感じ。
それぞれの食材の良さが…というよりも無難なフランス料理の肉料理的なちょい甘、ちょい香ばしい仕上がり(どんなんだ?)。
ポンム・リヨネーズはやはり寂しい量で、鍋底をさらえたのか、というような渇き具合でした…
少なすぎてメインを待つ間に乾いたのかな。
フォアグラの脂が溶けて流れ出していますが、焼き加減はまずまず、でしょうか。
焼きすぎないでください、と生意気にもお願いしておりましたので。
でも思っていたよりは美味しいメインでした。
相方のメインは牛ロースのロースト。
これはなかなか美味しいお肉で一口もらったけど、もう一口食べたい!と思ったくらい。
ただ美味しいがゆえにものすごーく小さくて、思わず「ちっさ!」
付け合せが貧弱で、コンキリエに詰められたマスカルポーネはなんの細工もなく単なるマスカルポーネ。
やっぱり付け合せは手間もコストもかかるものなのね、美味しくしようとすると。
さて、デザートはワゴンサービス。
見た目にはまぁまぁ美味しそうに見えますね。
ガトーショコラ、空豆のモンブラン、ロールケーキ、ほうじ茶のシフォンケーキ。あとメロン。
ワゴンにのった状態で製菓長が説明してくれるんだけど…
その説明が全く足りない。名前を言うだけ。
で、わからないことを聞いていくと、うーんその説明は違うんと違うやろか…と突っ込み満載の内容だったので、あきらめてだいたいの種類をオーダー。
が、どう見てもこれってガトーショコラじゃないよねー?
いや「チョコレートのお菓子」という意味ではガトーショコラなんだけど、食べると美味しくないザッハトルテなわけですよ。
ロールケーキも「こんなに美味しくなく作るのはかえって難しいんじゃないか」というレベルで、100円ローソンのロールケーキを懐かしく思ったくらい。
空豆モンブランも空豆そのもの以下といった味で芸がないし、とにかくデザートはダメダメでした。
たぶん…これは私の推測だけど、実際は切り分けを手伝っていた女の子が作ってるんじゃないかなと思いました。あまりにも説明が間違いだらけだし、質問の答えになっていない回答が多すぎて。
そこまで期待していたわけではないけど、HPでも結構デザートに力を入れている感じだったので、もうちょっと美味しいかなぁと思ったの。
でもよく見てみるとパティシエの名前が総括料理長になっているところがあったりして、あんまりアテにならないなぁ、と。
フランボワーズのシャーベットにヨーグルトのシャーベット(だったかな?)。
でもね、これも製菓長はカシスのシャーベットだと言っていたのだ。
色からしてアヤシイと思ったけど、食べるとやっぱり。
しかも美味しくないのだ。
相方選択のプレート。
このほかにゴルゴンゾーラのチーズケーキがあったけど、それが一番マシかな。
材料からあんまり変わってないもののほうが美味しいようです。
ティーカップは綺麗のよねぇ、でもお紅茶の味はイマイチ。
しかもおかわりは聞いてくれないし…
これだけのお菓子を食べるのに、絶対一杯の紅茶じゃ足りないでしょ。
次の日の朝、そばのテーブルの年かさの男性が、夕食時のお茶のことでちょっと苦情を言っていました。
デザートは別として、お料理としては悪くはない、という感じでしょうか。
オーベルジュを謳っているにしてはもうあと二歩くらいだけど。
でもダメなのがサービス。
人数が少ないことは仕方ないけれど、それほど混んでいたわけではないので、この日は手一杯ということはなかったはずだけど、行き届いていない。
それに物腰が尊大。特に女性のサービスが、「何様?」な感じ。
特に一人のサービスの女性は私がパンのおかわりを頼んでも全く持ってこないで、かなーり経ってから思い出したらしく、アルバイトらしき女の子に持ってこさせていた。
その間自分はなにをするわけでもなく。
自分が頼まれていて忘れていたんなら、自分で持ってきて「遅くなりました」くらい言えば?
忘れるのは誰にでもあることだから仕方ないと思うけど、自分のミスを知らん顔っていう態度は良くないね。
ま、顔にもあらわれてますけどー。
雰囲気やお料理はさほど悪くなくとも、やはりレストランでの楽しさはサービスがかなり重要な部分を占めていると実感する夕食でした。